・国際てんかんデイIED-X(2024年2月12日)協奏 仙台てんかん市民会議SCAPE Ⅵ―2024(2024年2月3日)開催
2015年から毎年2月第二月曜日は国際てんかんデイ(IED)となった。そして、このIEDに協奏する形で2019年、仙台てんかん市民会議SCAPEは産声を上げた。SCAPEは、世界における日本で、またその東北にある宮城県の中心部仙台で、てんかんの仲間たちが、てんかんについて色々と語り合うことを目的としている。当事者だけでなく、てんかんケアをすすめる人財や連携する人々が集い、より良い生活を送れるよう声を上げる。まだまだクローズドな会にも関わらず、2月3日、ホテルメトロポリタン仙台3階 曙の間に集まったてんかんの仲間たちは約50名。総合テーマを「てんかんケアの本当の未来を創る」とし、4つのセッションで構成された6回目のSCAPEは、とても有意義な発表内容であった。
国際てんかんデイIED、第10回を記念する講演では、荒総合法律事務所所長でありSCAPE発起人の荒中先生は権利擁護について話され、総合司会でもある東北大学大学院神経内科学分野教授の青木正志先生は超希少疾患治療薬開発までの経緯をお話いただいた。現場で働く声では、抗てんかん薬新薬開発とてんかん発作の自動監視装置開発、そしててんかん患児者が抱える諸問題と課題が話され、行政の声としては宮城県政と仙台市政による実績報告もなされた。また、公明党てんかん対策推進プロジェクトチーム事務局長の横山信一参議院議員にはカンナビダイオールCBDの開発からみた新薬新治療開発と立法課題が発表された。横山先生は、全額自己負担でCBD開発国の英国を視察され、てんかん対策に係る令和6年度の予算についても昨年から1.9倍へ増額されるとの報告があった。まだまだ予算的には足りないと横山先生自身の発言も印象的であった。
何事をやるにしても推進機関が必要であり、自分たちにできることを各々が考え、きちんと関わっていかなければいけないと強く感じた。そしてこの推進機関であるてんかん市民会議SCAPEがその中心母体であり、てんかんケアに携わる様々な分野の声を上げ続けることが大切であると改めて実感した。すぐさまてんかんの未来は良くならないかもしれない。けれど良くするためには、積み重ねが必要である。さあ、どんな新薬が欲しいか、どんな検査なら苦にならないか、どんな制度があったらいいか、てんかんに優しい未来を皆さんで考えて発信していきましょう。
2024年2月6日
加藤千春