ベーテルはてんかん専門診療に特化した病院ですので、院内の他の部門・領域と同じく、検査科もてんかんの診断・治療のために仕組まれ、またスタッフもMDTBティームの一員として、てんかん専門を自負する気概で日夜奮闘しています。
ベーテルはてんかん専門診療に特化した病院ですので、院内の他の部門・領域と同じく、検査科もてんかんの診断・治療のために仕組まれ、またスタッフもMDTBティームの一員として、てんかん専門を自負する気概で日夜奮闘しています。
脳波検査実施数は2024年10月現在で、ルーティン検査が13万件、終日記録検査が3万件に上ります。
また、てんかん診断には必須の大脳画像MRI検査(1994年5月)も担い、検査数は6万8千件を数えています。ベーテルは順次更新し、2024年4月からは3.0テスラでのアップデート版が稼働しています。
抗てんかん薬の血中濃度検査はてんかんの薬物治療のすすめ方を決定するために重要な検査となります。特に新規薬の緩徐な増量、至適濃度の決定、過量濃度の是正、経過判断に重要です。また、断薬や怠薬、急激な濃度変化、副作用との関連を推測できます。なお、2006年以降、抗てんかん薬新薬群が市場に多数登場してからは、それらの血中濃度測定は外部の検査所に頼らざるを得ない状況にあり、診察中に結果を出せないようになり、大きな課題となりました。
てんかん専門病院ベーテルではさまざまな障害を持つ方も来院されます。その方々の検査もスムーズに行えるよう、ご本人やご家族とご相談させていただきながらすすめていきますので、ご安心ください。
目次
頭に脳波電極を装着し、ベッドに静かに横になって検査をします。1階の脳波室でのルーティン検査の所要時間は検査が30分、電極装着・脱着が30分で計1時間程度になります。入院病棟での長時間脳波・VTR検査は終日検査です。無線送信なので、電極をつけたまま、食事をしていても、トイレに行くことも、3階で運動することもできる自由行動下記録です。これはベーテル脳波の一大特徴です。睡眠中の発作や歩行中の発作も記録できます。たとえば立ち振る舞いが何となく変だったり、心理検査中に発作があったりするなどの脳波変化を解析することを「てんかんモニタリング」と呼びます。
核磁気共鳴検査装置と呼ばれるMRIは強力な磁場と電磁波で身体の画像を撮像します。工事現場のような大きな音がします。痛みは伴いません。ガントリーと呼ばれる筒状の装置の中に仰向けとなり、できるだけ安静にして約20分ほどかかります。狭いところが苦手な方や、じっとしていることが難しい方は睡眠導入薬を服用してからの検査になります。なお、更新された3テスラヴァージョンは最新更新型です。
脳波検査のように頭に電極を装着し、ヘッドホンで音を聞いたり、白黒のモニターを見ていただいたりすることによって現れる大脳の特殊な特定の反応を見ていきます。
項目はVEP(視覚誘発電位)、ABR(聴性脳幹反応)、MLR(中間潜時反応)、SVR(頭頂部緩反応)、P300(事象関連電位)、がSEP(体性感覚誘発電位)、SSEP(短潜時体性感覚誘発電位)等です。
また、上肢、下肢のSCV(知覚神経伝導速度)、MCV(運動神経伝導速度)も行われます。
ベーテルでは腹部や骨盤腔の(肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、膀胱、子宮や前立腺など)中心の超音波検査ができます。ひどい便秘や腸閉塞の疑いによる検査も少なくありません。なお、空腹状態で検査します。
なお、心臓エコー検査は専門の循環器内科へ紹介します。
既に紹介しましたが、抗てんかん薬の血中濃度値を測定します。
血中濃度測定値は日内変動があり、服薬した時間から何時間経っているかがとても重要です。ベーテルでは服薬後2時間の時点で採血をいたします。血中濃度理論については、また別項を準備します。
血液の中の赤血球や白血球の値を調べます。貧血や炎症があるかがわかります。
現時点では、比較的に迅速な対応が必要な一般血液生化学項目15項目を計測しています。
また、極めて迅速な緊急検査結果が必要な場合は。ドライケミストリー検査、血液ガス検査を行います。
テストペーパーによる尿のPHや尿の成分に異常がないかを調べます。
なお、尿路感染症の起因細菌の特定と適薬感受性の検査となる尿培養検査は外注となり、結果が分かるまで一週間ほどを必要とします。
脳波検査等の一元管理システム(ニューロワークベンチからCNNプラスへ移行中)
ベーテル開設当初は1階の脳波検査室に3台、病棟に長時間無線モニタリングシステム2台で始まりました。2003年より脳波データがデジタル化され、ペーパーレスとなりました。また、長時間無線モニタリングシステムは2台から2005年に3台へ、2018年3月には5台へ増設されました。これにより、病棟すべての部屋でモニタリング検査を行うことができるようになり、院内は3階体育館・作業療法室でも無線の電波が届くようになりました。検査のための患者さんの行動制限はなくなり、より自然体に近い形でのモニタリング検査が可能となっています。
なお、2016年からベーテル本岩沼と仙台駅前ベーテルの脳波検査はオンラインで直結しています。
ベーテル開設1992年11月はMRI検査室を用意しているだけでしたが、1994年5月より磁場強度0.5テスラのMRI検査装置が導入され稼働開始となりました。2008年には0.5テスラから1.5テスラのMRI装置へ更新しています。そして2016年には3.0テスラのMRI装置へ更新し、より一層鮮明な画像を撮像できるようになりました。また、2023年には同機種でのバージョンアップを行い、AIによる画像補正、より短時間に画像の撮像ができるようになっています。
なお、2016年から仙台駅前とオンライン直結しています
てんかん専門病院ベーテルの歴史とともにさまざまな検査機器が増設され、必要に応じて新しい機器が導入され、現在に至っています。てんかんの診断・治療に欠かせない脳波検査だけでなく、てんかん発作やそれに伴う、体調の変化や異常を検査することで、ベーテルの患者さんの全面的な治療に役立てていきます。
仙台駅前ベーテルの臨床検査科をご紹介します。
仙台駅前は小さなクリニックです。本格的な総合専門医療機関とは呼べませんが、長い闘病には仙台駅前の交通の利便性があり、貴重な存在と考えております。臨床検査科的には、脳波室を用意し、手慣れた検査技師が優れた脳波検査をご提供することがモットーです。
しっかりとした脳波シールド室としてあります。脳波室は2室を用意していますが、1室で稼働しています。ベーテル本院の検査技師が交替しながら、日に6件のVTR・脳波同時記録はこなせます。長時間記録はベーテル本院で行います。脳波記録は本院と連結しており、ベーテル本院で記録した長時間VTR・脳波同時記録もいつでも参照できます。
また仙台駅前にMRI検査装置を装備することはできませんが、ベーテルで撮像された画像は仙台駅前でもいつでも参照できますので、ご安心下さい。
その他、採尿、抗てんかん薬血中濃度測定を含む採血、心電図、重心動揺検査などを行います。また、ドライケミストリー器を用意し、緊急生化学項目を瞬時に測定できます。
クリニック内で発作があり緊急事態であれば、ベーテル本院が引き受けますので、仙台駅前もベーテル本院も同体であるとお考えください。
(原田早苗)
「検査を通して患者さんの成長などを日々実感しています。障害がある方なども苦痛のない検査を目指しています。」