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カーレ仙台

第3回てんかんの利用者さんを守る懇話会・仙台が開催されました 

第3回てんかんの利用者さんを守る懇話会・仙台が開催されました

ECRCS Ⅲ-2025開催報告

 

2025年7月23日、仙台国際センター会議室を会場に、第3回てんかんの利用者さんを守る懇話会・仙台(Epilepsy Care Resources Consortium Sendai:ECRCS、てんかんコンソーシアム仙台)を開催しました。今回もご多忙の最中、てんかん患者さんが生活されている入所施設やグループホームなど11の施設から関係者の方々にお集まりいただきました。前回から引き続きご参加の施設も、初めてご参加いただく施設もありました。

初めにカーレ仙台代表、海野美千代が第2回ECRCSの内容を振り返り(「てんかんケア仙台」2024-1に掲載されています)、この会を継続している意義を確認しました。ベーテルからは、2024年度、新患のうち約10%、救急搬送者のうち約30%、入院件数のうち20%が入所・入居施設を利用されていることを報告しました。入院が必要となった方は、てんかん発作が日中や夜間を問わず起こること、約70%の方に転倒を伴う発作があり、約30%で重積、約60%に連発の発作がありました。このため、発作や薬の副作用による緊急入院や、薬物調整目的の長期入院が必要となったケースが多くなりました。また、食思不振や行動問題などの併発症への対応には時間がかかるため、外来で施設の方々のご協力を得ながら早期に問題を共有する必要があると考えられました。また、ベーテルで過去5年間にお亡くなりになられた方を振り返り、原因はてんかん以外の疾患が多く、一方で突然死もありました。

今回は、社会福祉法人宮城県社会福祉協議会障害者支援施設「船形の郷」から医療支援部の菅原健美さんをお迎えして、宮城県の施設であり、昭和48年から多くの方の生活をサポートしている「船形の郷」のご紹介をいただきました。「船形の郷」でも、てんかん治療薬のほか、さまざまな併存症に対して服薬が必要な方が多く、薬剤管理や体調管理が厳密に行われていることと、職員が「いつもと違う」感覚を見逃さずに対応できるようにしているとお話をいただきました。また、てんかんがあることで対応に苦慮される場面についてもディスカッションの話題としてご提示をいただきました。

最後は、ご参加の各施設から、てんかんをお持ちの利用者さんのケアをどのように行なっているか、悩まれている点なども挙げながら語っていただきました。ここでは現場の具体的な状況が聞かれ、共通の認識や、新たな視点を得る時間となりました。

利用者さんが多くの時間を過ごす生活の場で、共に多くの時間を過ごされている関係者の方々と、てんかんという病気を一つの窓口として、さまざまな思いを共有することができました。取り組むべき課題もありそうです。また来年、元気にお顔を合わせられますことを願います。

てんかん専門病院ベーテル院長 荒谷菜海