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・バラ祭り開催(2023.05.29)

2023年5月29日

バラ祭り開催

ベーテルは、四季折々の花々を楽しむことができる病院で、花を愛でる優しい想いにあふれた環境となっています。季節ごとにたくさんのお花に包まれるので、病棟の患者の皆さまと共に花祭りを開催するようになりました。その一つが、今回開催のバラ祭りです。例年ですと、6月中旬の開催ですが、春らしくない気温上昇で、みるみる間に生長し一斉に蕾がつき始め、そして一斉にみごとに咲き誇りました。チューリップに続き2週間ほど早い開花でした。

ベーテル登り口の白いつるバラは、昨年、専門家の手を借り、古枝を切り落とし剪定作業を加えたこともあり、例年通り開花するか心配していましたが、次々と蕾を持ち満開になりました。この白いつるバラは、「てんかんケア仙台2011‐1」の表紙を飾っています。儚い白バラの花弁が絨毯のように敷きつめられた見事な写真の1枚です。傷つきやすい花びら、儚い花びらを素晴らしいタイミングでDrソガが画像に残してくださいました。例年ですと最初に咲き終わり、その後に鉢のバラが咲き出すのでが、今年は他の鉢のバラたちと口裏を合わせたように、一斉に咲き誇り皆さんの目を楽しませてくれました。

バラ祭り当日は何と朝から雨模様。外での開催を断念するしかありませんでした。そこで、特に咲き姿が立派な5鉢を体育館に運び、日々咲き始めたころから写真に収めていた花々の成長記録を、映像で流しながらOTの解説付きで楽しむことにしました。

しかし、雨模様ではありましたが、一斉に咲いたたくさんの美しいバラを、闘病中の患者さんに実際に見せてあげたいという思いから、小雨になった時を見計らって、傘をさして外に観賞に行くことにしました。雨降りの薔薇は、また格別の風景があるはずですから。

すると、なんと最初の班が出かける寸前に奇跡的に雨がやみました。戸外での活動と花の美しさに、患者さんのにぎやかな声が響きました。顔を寄せ香りを感じたり、優しく手に触れたり、バラと共に写真を撮ったり、グループごとに品評会をしたり、いかにもバラ園にでもいるかのような雰囲気で、様々な場所に咲き誇っているバラたちと優しい表情で会話しているようでした。特に黄色の花が印象に残ったと多くの患者さんから感動の声を聞くことができました。今回の企画は、入院治療を頑張る皆さま方に喜んで頂けて、大・大成功でした。

べーテルのたくさんのお花は、てんかんの方々のための社会復帰を支援するハンス・バーガー協会運営の就労継続支援B型作業所リーチェの園芸班が、愛情をこめて育てています。バラも同様で、特に植え替えから剪定、肥料や水の管理、そして虫や病気の戦いを経て咲き誇ったものです。しかし愛情を注いでも、枯れてしまうものが毎年3~5本あり、買い足しています。鉢植えには限界がありますが、剪定や育て方を学び、更に多くの花を咲かせたいと思います。花々を愛でることにより、気持ちが癒され、病棟生活を明るく乗り切れれば幸いです。この時期は、外来の窓を開ける時が多くなり、風に乗り香が注いでくることもあります。もう少しの間、咲き続ける花や香りをお楽しみいただけることでしょう。

笠松 初枝

薔薇祭り