2021年2月13日(土)、23時08分に発生したマグニチュード7.0、最大震度6強を記録した福島県沖地震により被害を受けられた皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。
10年前の3.11の悪夢が記憶に蘇る今回の地震。夜勤帯2名のナースで管理するベーテルのてんかん病棟は、一瞬にしてパニック状態になりました。幸いにも停電は一瞬で回復し、患者の皆さんは、ナースの指示に従いベットで布団を被り、冷静に対応してくださいました。当直Drがすぐに駆けつけてくださり、ベーテルで入院中の患者さん方に怪我はありませんでした。
また、地震発生直後から近くのスタッフを中心に、自宅の安全確認を一通り済ませた約10名が病院に駆けつけ、患者さんへの声がけや病院内の安全確認をして回りました。夜勤2名の看護体制で真夜中の地震発生でありましたので、駆けつけてくれたスタッフに感謝でした。30年になろう病院の建物にも大きな被害はありませんでした。てんかん治療のための脳波やMRI検査機器等も問題なく、すぐさま運転できました。そして、幸いなことに水道、電気、ガス、そして電話という3.11で苦労をしたライフラインも正常に近い形で機能していたことは幸いでした。
遅ればせながら、本日患者の皆さま方の状況をお伝えしながら、ご家族さま方の状況確認のお電話を入れさせていただいたところです。物が落ちたり破損物はあるものの、大きなお怪我等の状況はなく安心いたしました。
仙台駅前クリニックベーテルにおきましても、幸いにして大きな被害を受けておりませんでしたので、通常通りの外来診療を継続できます。
本日より医事科を中心に、ベーテルに外来通院でいらっしゃる患者さま方への安全確認を進めています。今回の地震で多くの被害が出た常磐道を通って通院される方、JRを利用して来院する方、断水が続く中で生活されている方もおられます。福島・宮城ではその後も地震が相次いでいます。気象庁は、今後1週間程度は最大震度6強程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけております。皆さまくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいますようお願いいたします。
そして、3.11から10年が経つ今、忘れかけていた防災意識を見つめ直す必要がありそうです。どこに避難するか決めていますか?手の届くところにお薬はありますか?お薬の予備は14日分を小分けにしていますか?車にガソリンは入っていますか?非常食やお水の確保は大丈夫ですか?今回の地震によって10年経つはずなのに昨日のことのように反省すべき点が多くみつかるものとなりました。
今回の地震発生にあたり、皆さま方も被害を受けながらもベーテルを、そしてベーテル入院中の皆さまをご心配してくださるお二人からご心配のお電話をいただきました。日本てんかん協会福島県支部代表の吉田大二さん、そしてピアノとコーラスでお越しくださるこづみ郁子先生です。いつの時も、ベーテルの皆さま方を励まし続けてくださるお二人に心から感謝いたします。ありがとうございました。
加藤千春