「てんかん市民の誓い 3.1120112026 こづみ郁子コーラスライン」が、2026年3月13日、ベーテル3階体育館にて開催されました。
院長Drナミの挨拶に続き、看護師柴田妙子が、大災害、大人災となった3.11をてんかん市民が生き抜いてきた歴史と、被災地で亡くなられたてんかんの仲間たちに深い哀悼の意を示すと共に、黙祷を執り行いました。
続いて患者さん代表として2名の方が震災当時の体験を発表されました。お一人目の日下智尋さんは、当時6歳で避難した建物にも津波が押し寄せ、自身も流されそうになりながらも、てんかんと共に生き延びた自分自身をこれからも守っていくという強い意志を話されました。二人目の首藤浩之さんは、高台の家に避難し、少しずつ家族が揃っていく安心感に絆を感じ、自分にとって大切な物を深く認識するきっかけとなった思いを話されました。
続いて、ベーテルで毎月コーラスを教えて下さっているこづみ郁子さん、梅森智美さんによるピアノと歌声のコーラスラインです。ヘンデル作曲のオペラ・セルセのオンブラ・マイ・フ、木下牧子作曲のうぐいすの2曲が演奏され、美しいピアノの音色と歌声が会場を包みました。その後は、野に咲く花のようにを、参加した患者さん、ハンスバーガー協会の利用者さん、職員みんなで歌い、想いを一つにする時間となりました。
最後にDrソガより、3.112011の教訓が話されました。大震災は、備えることもできなければ、避けることもできない天災であったが、追悼や復興支援は区切りを迎え、世の中から3.11の記憶は忘れさられようとしている。しかし、原発問題で避難を余儀なくされた方々は今も大勢いて、後処理に膨大な時間と資金がかかることになるが、はたしてどこまで現実的な話になるか。このような人災をしっかりと認識し、世の中の動きにアンテナを立て、これからの時代をどう生きていくか、自分達自身がそれぞれ考えていかなければいけないという強いメッセージを会場の皆様にお伝え頂きました。
ベーテルでは、毎年欠かさず3.11の追悼とコーラスラインを継続してきました。参加される方はその時たまたま入院していた患者さん達だとしても、同じてんかん市民の仲間が身近にも、遠く離れた場所にもいること、災害が起きようと、闘病は止まることなく続き、そのためには自分達も、周りを取り巻く方々も、皆の助け合いと協働を続けることが、てんかんケアには大切なのだと教えられます。他人事ではなく、それぞれの忘れられない3.11の思い出を改めて考えさせられる、考える時間を与えてくれる、そんな思いを持つことができた会となりました。
神経心理士 阿部佑磨
