暖かすぎる春、初夏の訪れでした。ここ10年で一番と言っていいくらいの、美しいチューリップの咲き乱れ。庭も鉢植えも、ちょうど良い開花具合並びのチューリップたち。晴天に恵まれ、こんなチュルペン日和は、久しぶりです。
多少の風はありましたが、そんなのどこ吹く風。患者さんたちの笑顔は、なかなかのもので、園芸班と一緒に寒い日の土を掘り起こし、綺麗に球根を並べ植えたことの大変さが一気に報われたような気分でした。今年のチューリップを皆で投票して、一位に輝いたのは、白地にグリーンの差し色のついた、それはそれは素敵な素敵なチューリップでした。
一年に一度のチューリップのお祭り、チュルペンの開かれるこの時期に居合わせることのできる患者さんというのは、本当にラッキーです。
雪の寒い冬を乗り越えて、春に大空に手を伸ばすように咲くチューリップ。花ことばは、「思いやり」です。このチュルペンに集ったみんなが、人々に思いやりを持って生きれますように。そして、春の日差しのように、彼らにやわらかな優しさが降り注ぎますように。
有賀 穣
※1「チュルペン」とは、オランダ語のチュルプ(チューリップ)の複数形です。
※2 チューリップは、ベーテルの院花です。
※3 ベーテルでは、四季折々の伝統の花祭りがあります。
※4 患者さん達が種を蒔き、苗を育て、半年以上育てて花を咲かせます。