<はじめに>
2026年5月30日(土)、仙台国際センター展示棟展示室3にて、第59回仙台てんかん医学市民講座 EPLS Ⅴ-2026 春期第34回が開催されました。今回の春期講座は「てんかんを一から知りたい方々のために」を主題とし、てんかんのある方やご家族、医療・福祉・教育などの関係者をはじめ、多くの方々にご参加いただきました。
本年から春期は「やさしい入門編」、秋期は「しっかり勉強」を目指す形となり、今回は初めててんかんについて学ぶ方にも分かりやすく、また日頃からてんかんケアに関わる方にとっても改めて基本を見つめ直す機会となりました。
<SpeakOut>
恒例のSpeakOutは、今回は2/7に開催された仙台市民会議SCAPE、セッション IIIでの「P/CP当事者・ケアギヴァーから見たてんかん専門医療の現場ーてんかんケアの展望」での早川直美さんによる第1演題、日野一枝さんによる第2演題を、大きな会場となるEPLSでの再講演とYouTube上でご披露する形をとりました。てんかんのお子さんを持つ母の率直で心動かされるお話二つを聞くことができ、会場は再び大きな感動に包まれました。
<てんかん何でも相談会>
今回新たに設けられた「てんかん何でも相談会」では、てんかんについての疑問や不安を気軽に相談できる場としての初の試みでした。残念ながら今回は相談される方はいらっしゃいませんでしたが、次回以降も相談会を開催する予定として、広く皆様の不安や悩みを聞く場面を設けていきたいと考えています。
<初めて聞くてんかん教室>
「初めて聞くてんかん教室、てんかんケア実践講座PSE」では、看護師の石川真弓が、てんかん発作が起こったら、病院でどのような流れで検査をし、確定診断をしていくか、その最初の窓口となる看護師の役割を説明しました。また臨床検査技師の原田早苗と平間良子が、脳波やMRI検査がどのようなもので、なぜ実施する必要があるのかを分かりやすく説明しました。
また、神経心理士阿部佑磨は、てんかん発作以外にもたくさんのてんかん問題があること、そのために発作以外にも色々な相談をしてよいことをお伝えしました。看護師の海野美千代は、てんかんの長い闘病生活の中で、上手く病気と付き合い社会で生きていくための幾つものコツをお伝えしました。
<泉房穂先生のお励まし講演>
一方、社会福祉記念講演として、前明石市長・参議院議員の泉房穂先生に、遠く神戸からご来仙頂き、基調なご講演いただきました。ご自身が市長をされる中で、明石市を立て直すために発想の転換が必要であるという強いメッセージをお話頂きました。無償化など必要な財政支援策を講じることで、安心して暮らすことができる環境を整え、人口が増え地域が活性化することで税収も上がるという好循環を丁寧にご説明してくださいました。さらに、社会を動かしていくためには、人とお金が必要であるという、現実的で率直な言葉もお聞きできたことも、心に残りました。
また、ご自身の兄弟が障害をお持ちで、社会が障害者をいかに冷ややかに扱うか、そういう幼い頃からの思いから、自分が政治家となって変えていくんだという強い動機づけをもっているというお話をお聞きし、会場にも熱い熱量とメッセージが伝えられました。どんどんと聞き入ってしまうお話ぶりに、いつもとは違う市民講座の雰囲気を楽しむことができました。
<やさしいてんかん教室>
後半の「やさしいてんかん教室2・てんかん医学連続講義」では、医師の曾我天馬からは、てんかんがどのように診断されていくのか、初めての方の目線に立って説明しました。医師の荒谷菜海からは、子どの特有のてんかんの特徴や症状、発達障害などの併存の可能性、社会生活上の注意のお話がありました。医師の曽我海馬からは、抗てんかん薬による薬物治療の考え方や経過、相互作用や生活上の注意点などの説明がありました。医師の大槻泰介からは、てんかんの外科治療の原則と早期発見、早期治療がいかに重要であるかを説明しました。
<まとめ>
今回の市民講座は、てんかんを初めて学ぶ方にも、日頃から支援に携わる方にも、それぞれに新しい気づきのある会となりました。初心に立ち返り、私自身のてんかんケアに対する考え方も、改めて考えさせられ、これからの毎日に生かしていきたいと、気持ちを新たにすることができた講座となりました。
神経心理士 阿部佑磨
