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てんかん外来看護ご案内

ベーテルの看護理念は病室を花で飾り、看護を心で飾ります。

私たちの看護に定型はありません。一人一人にその人が必要とする看護を提供する「手作り看護」。これが私たちの看護目標です。

てんかんを発病する年齢は幅広く、1992年の開設以来、乳幼児の小さなお子さんからご年配の方が県内外より来院されています。2016年4月には仙台駅前にサテライトクリニックとして仙台駅前ベーテルを開設し、より患者さんのニーズに合わせて通院していただけるようご案内しています。ベーテルの外来は他の病院の外来と比べることができません。毎月通院することが原則です。看護師が第一に患者さんとかかわり問診を行います。ベーテルの看護は発作専門の外来聴取を行います。また、発作のみならず、患児者さんの年齢や生活は変わっていきますので、ライフステージ毎に発生してくる問題や人生設計をお聞きしながら、直面する問題と困難を見据えます。患者さんが抱えるさまざまな課題にはco-medicals(医師を除く専門職一切)が連携し、それぞれの専門性から問題解決に向けた多面的な支援を行っています。

てんかんは長期的な薬物治療が必要な病気です。毎月安心して通院していただけるよう、患児者さん、ご家族個別ごとに寄り添う看護ケアを提供しています。

目次

  • てんかん外来のご案内
  • てんかん専門外来診療コンセプト+患児者・ケアギヴァーの役割
  • 仙台駅前ベーテルのご案内
  • 患者支援体制+P/CP
てんかん外来のご案内
初診時の流れ

当院の新患外来は予約制で、本院岩沼での診察となっております。なお、ご事情で仙台駅前クリニックベーテルでの初診となる場合もあります。

ご希望される場合は患者さん・ご家族からの電話予約となります。紹介状がなくても予約をとることができますが、前医の情報があることで病歴の細部を確認する必要がある場合もあり、できれば診療情報提供書(いわゆる紹介状)をご準備くださると助かります。

てんかんはてんかんの内部診断(てんかん発作型とてんかん症候群の確定診断)が必要とされますので、初診であるからこそ、多くの方が入院精査入院が勧められます。通常、7泊8日です。これから長い付き合いとなりますから、初心時点にしっかりとした脳波所見を確定し、証拠として後々のフォローのために役立てます。また、てんかんであるかどうか確定診断を必要とする方、治っているのではないかなどの方々も対象になります。

再来のご案内

外来では医師の診察の前に看護師が事前にバイタルチェックに加えて、病状についての確認を行います。

外来を担当する医師は各週、曜日によって異なりますので、患者さんの年齢や病状によってご案内しております。ご不明点等あればご相談下さい。

  • 再来予約について
    予約は3か月先まで取ることが可能です。診察後に予約を取ります。
    定期検査は半年に一度ご案内しておりますが、患者さんの状態や治療経過において適宜検査が必要となることがありますのでご案内させていただきます。
  • 緊急事態の時
    長年抑制されていた発作が起こってしまった、いつもと違う発作症状で心配。発作でケガをしてしまった、などの場合は次の診察日を待たずに電話連絡をお願いしています。場合によっては医師に確認したうえで、来院していただくケースがあります。また、てんかん発作以外の症状が疑われる場合や当院で対応困難である場合は救急病院を受診していただくこともあります。
  • 遠方の患者さんへ
    ベーテルを希望しても毎月通院することができない、通院するのが大変、という患者さんもいらっしゃいます。そのような悩みをお抱えになられたら、事前にお気軽に看護師にご相談ください。
てんかん専門外来診療コンセプト+患児者・ケアギヴァーの役割
てんかんの外来診療のコンセプト

てんかんの場合、てんかんの確定診断から治療開始、そして治癒に至るまでの治療継続は、乳幼児期に見られる良性のてんかん症候群を除き、比較的に長期間の闘病となります。このため、少なくとも数年に渡る発作闘病期間中には、てんかん発作だけではなく、てんかん発作以外の問題にも直面し、解決困難に陥ることが少なくありません。ベーテルはこのてんかん特有の事態をも事前に予見し、察知することを優先課題としています。てんかん専門医師の診察・治療に加えて、てんかん専門看護師、発達心理を含む神経心理士、作業療法士などがてんかん専門医療ケアのための多面的ティームアプローチ(MDTB)を形成して協働します。てんかん専門外来診療にも当たります。院内MDTBは院外の関連支援機関や団体、組織と連携します。個別の各種療育職、言語聴覚士、理学療法士、カウンセラー、職業療法士、ソーシャル・ワーカー、各種支援員、時に適切な行政担当者等とも協働し、継続的な包括的支援を具体的に提供できる中枢となり、またそのように承認される存在と見做されることを目指します。少なくはない方々がてんかんは発病した瞬間からMDTBの存在が求められる病気でもあり困難でもあります。

患児者・ケアギヴァーの役割

てんかんの闘病生活では、患者は毎月きちんと病院に通うなどの医師の指示に従うことが当たり前とされています。これを硬くは患者の役割と呼びます。医師が望むような、患者さんに果たしてもらいたい役割、が幾つもあります。たとえば、てんかんという診断が信じかねる方、薬を処方されたがきちんと飲むことができない方などがいらっしゃいます。この場合は、てんかんとしっかり闘病する前の段階にありとして、医療側からは患者側へのオリエンテーションが熟していない、ガイダンスがまだ行き届いていないと見做されます。

患児者・ケアギヴァーの側からみてみましょう。医療提供者側、つまり病院が患者側に求めるものが違っていることがあります。患者側の質問、疑問は非常に重要な問いかけであることが多いのです。この違いを医療者側はしっかりと認識し、再度改めてその声にじっくりと聞き入る耳を持たなければなりません。実際には医師を含むMDTBがこぞって適切に対応していくことになります。

仙台駅前ベーテルのご案内

仙台駅東口より徒歩10分圏内にあるサテライトクリニックです。遠方から通院される患者さんがより便利にご利用いただけます。なお、ベーテルの場合は安心して通院していただけるよう、本院と連携しながら診療を進めております。仙台駅前クリニックに通院したい、今後通院を検討したい方は看護師にお声がけ下さい。

仙台駅前クリニックでは脳波の定期検査は可能ですが、クリニックにはMRI装置を備えることはできません。本院への受診が必要となります。

また、仙台(駅前)クリニックでは重症な緊急事態は本院へ、時には救急車で向かっていただくこともあります。

患者支援体制+P/CP

てんかんのある患者さんへの支援は多岐にわたる分野での連携が重要となります。

てんかん発作はいつ、どこで起こるか予想することは困難です。不規則な生活習慣が要因となっている方もいますが、単純にすべてがそうであるとは言えません。医療面での多面的な支援はもちろんのこと、療育、教育、生活、福祉、就労の場面での重点優先の支援プログラムを必要とする方々がいらっしゃることは重大です。外来では看護師が窓口となり、また中心となって、患者さんの抱える問題点を整理していきます。繰り返しますが、精神科医、神経心理士、作業療法士、栄養士の面談をおすすめし、また必要があれば、お役所含めて外部の相談機関、生活就労・福祉機関等と連携して、患児者さんと共に様々な課題を具体的に解決し解消できるよう取り組んでいます。