今年も皇帝ダリアの花が見事に咲きました。
皇帝ダリアは、貫禄のある花姿からダリアの王様と呼ばれ、茎が木質化するので、別名ツリーダリアと呼ばれています。花枯れとなるこの季節は、巨大に成長した木の先端にたくさんの蕾が顔をそろえ、花開く日を今か今かと観察するのが私共の日課となります。観察日記によれば、11月11日にひと花開花し感動。と記録されました。
ベーテル皇帝ダリア植樹の始まりは、2009年5月です。静岡東のてんかんセンターに7回も入院し、大きな外科手術も経験しながら、ついに発作が抑制されなかった女性患者さんと共に、発作が完全に止まりますようにと願いを込めて一緒に植えられました。そしたら何と11月の開花を待たず1月前から発作が止まったのです。1日中発作に悩まされ、自由に歩くこともできなかった日々から解放されました。
この年から現在まで枯れることなく咲き続け、てんかんの皆さまを見守り続けております。ベーテルの階段そばの庭先に植えられた親株から挿し木を始め、今や3か所で見事に咲き誇り、入院中の患者の皆さまも楽しめるようになりました。
晩秋の空にそびえたつように次から次へと咲く姿は、花が大きいので人目をひき、魅了されてしまいます。連日写真におさめに行くと、時間や日により違う顔を見せてくれました。早い時間ですと朝日をまぶしそうに受け、風の強い日は、同じ方向に傾きながら葉が裏返しになり、みんなでブレイクダンスをしているようでした。また、飛行機や飛行機雲とツーショットの時もありました。どの方向から見ても、青空にピンクの花はとても似合っていました。
ベーテルでは、園芸班が活発に活動をしています。寒冷地で、育てるのは難しいといわれていますが、竹のような茎を節で切り、温室を使用し挿し木をして増やすこともベテランになりました。今年は、地域の皆さんにも見せてあげたいと、畑にも植えてみました。1メートルほどまでは順調に生長していたものの、今年の異常な暑さのため、咲くまでには至らず、枯れてしまいました。残念でしたが、また来年も挑戦したいと思っています。
皇帝ダリアは、霜が苦手で霜が下りると、一気に葉や花がしおれ、枯れてしまいます。今年は、幸いにも岩沼はまだ霜が下りず、花を見続けることができています。もう少し、楽しませてくれそうですね。
笠松 初枝