ベーテル新着情報
2021年5月7日
ホルター心電計が新しくなりました
検査科長:原田早苗
ベーテルでは現在2台のホルター心電計(長時間記録用心電計)が稼働しています。1台は2007年1月より、もう1台は2009年12月より使用しておりますので、よく働いてくれました。何度かの故障もありましたので、ご不便をかけないよう今回新しい機械に更新することといたしました。
新しい機種は今までのものよりも、ひとまわり小さく軽くなりました。長時間(おおよそ24時間)にわたって装着・携帯するため、少しでも軽量である方が患者さんへの負担が軽減されることは喜ばしいことです。
通常、ルーチン検査での心電図検査はベッドに横になり、安静の状態で検査をします。検査時間も5分ほどで終了します。この機械では、しかし、夜間や日中の活動時の心拍の異常をとらえることは困難です。ホルター心電図検査では長時間にわたり自動的に心電図を記録できますので、心電図の日内変動や不整脈などを容易に記録することができます。稀にはホルター心電図検査中に発作があれば、発作中の心電図を記録できたという(逆説的な言葉ですが)幸運となります。
ホルター24時間心電図検査は、特に不整脈の検知に欠かせない検査です。一方、てんかんでは心拍が一時止まってしまうことにより起きる失神や心臓の機能の異常による、てんかん発作と見まごう症状の方々がおられます。てんかんの発作かどうかの判別を行う鑑別診断では欠かせない重要な検査の一つです。異常があれば、循環器内科への紹介となります。
一方、抗てんかん薬の種類によっては心機能に影響を及ぼすものがあるため、長時間心電図を記録できるホルター心電図検査が重要になってきます。
てんかん診療では一見関係がなさそうに見えるホルター心電図検査ですが、てんかん専門診療に欠かせない鑑別診断検査機器です。検査機器の更新により、検査技術が高まります。私ども検査技師も新しい機器とともに日々研鑽し、よりよい患者サーヴィスを提供できるように、努めて参ります。