・てんかんイーブニングセミナーEESB2020第一期第1回を開催

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てんかんイーヴニングセミナーEESB

ベーテルてんかんケア実践講座2020-第4期 第3回講義

SCAPE-2020/IED-2020

作業療法士   有賀  穣

 

昨年から行われているSCAPE:仙台てんかん市民会議Sendai-Citizens‘Action Plan on Epilepsyですが、今年2020年は第二回目の開催になります。

このてんかん市民の集まりは、国際てんかん デイInternational Epilepsy Day、略してIEDに因むものです。今回の私の発表を通して、日々てんかん看護ケアに日々向かい戦う同志の皆様が、なるほどSCAPEがIEDに因むのはもっともだと大事に集まり、これからも大切に育てていこうという気持ちが育まれることを切望いたします。なお、IEDとはインターナショナルエピレプシーデイ「国際てんかんデイ」のことであります。

シンボルマークは、みんなが手を取り合って、てんかんのある人を元気づけようという趣旨を示します。国際てんかんデイは、正式には2015年2月9日に発足しました。折しも、わたくし有賀が、ベーテルに入職した年であります。IEDの歴史を紐解けば、全く新しいものが生まれたわけではありません。とはいえ、21世期インターネットの時代でございます。この媒体を通じて、てんかん問題と戦う”同志”が年に一度 #epilepsyday で交流するのは、至極当然のことになりますでしょう。今年もIED事務局は、#epilepsyday を活用しての世界中での、世界中からの発信を求めております。

 

世界のてんかん問題の制圧の歴史は、1909年の国際てんかん学会ILAE(国際抗てんかん連盟と訳す人が多い)に遡ります。これは、医学研究者のみならず臨床てんかん医たちが作った学会です。ILAEは2009年に100周年を迎えました。それから11年も経ちました。今や、ILAEは120を超える国の支部を擁します。

一方、日本流にいえば「親の会」や「患者会」の位置づけとなる国際てんかん協会IBEは、ILAEから半世紀後の1961年発足で、2011年に50周年、来年で60周年を迎えます。組織構成は医師に限らない専門職能から成り、国際的な「市民運動」でした。その国際本部はいまや各国協会を束ね、国連での活動を行えるまでに成長しました。なお、ベーテルは長くIBEのフレンドメンバー(現在は準支部)です。IBEは、ILAEと手に手を携えて、人事を含み、てんかん運動の道を弛むことなく歩んでいます。

その活動が実り、1997年6月29日に、世界保健機構WHOを本格的に巻き込み、全地球規模のグローバルキャンペーンGCAE「てんかんを日陰から日向へ」事業を立ち上げました。Dr.ソガが留学したオランダ、メーランボスでは、ILAE、IBEの理事長を輩出しておりますが、メーランボスの、私と同じ作業療法士Hanneke de Boer女史がGCAEを力強く先導しました。その成果は各国にてんかん対策を講ずるよう指示した、2015年のWHO理事会の決議につながります。世界各国で、てんかんに関する医療、治療、教育、福祉、労働、社会のあらゆる面で、てんかんに関する理解の向上と啓発活動を重視し、てんかんを有する人々を社会に受け入れさせていく活動が実を結んだのです。IEDもその流れの中にありますが、自閉症やダウン症のように国連が定めた「世界啓発デイ」にはまだ昇格しておりません。何ごともこれからです。

 

日本でも、2016年から、「日本てんかん協会(波の会)」と「日本てんかん学会」が共同でIEDの記念事業に取り組み始め、2016年2月にIEDを記念する初回のイベントを開催し、その後も継続されています。

てんかん問題の制圧のための活動の歴史は古く、世界中に多数存在します。とはいえ、「てんかん問題」を本格的に制圧しようとする確かな対策が各国にあるとは言えず、まだまだ「てんかんは不利な状況にあります」。では、日々てんかん看護ケアに挑む我々はいつ、どのように動きますか。不運中の幸運。現在の私どもは、インターネットを通じて、今やいつでも、誰でも、どこからでも、誰とでも情報発信と交換を行える時代です。なかでもツイッター、インスタグラムは、ダークサイドに立ち向かう“黒船”と言っても過言ではないと思います。

ホテルメトロポリタン仙台を会場にした2月1日開催のSCAPE-2020のプログラムにお目通し下さい。このプログラムを私どもはIED、2月10日に世界に発信します。どなたも#EpilepsyDayに、日本から、仙台から、ベーテルから一斉に発信しましょう。

そして、2月10日には、これまでもそうしてきたように、そしてこれからもそうしますが、ベーテルの三階から、私どもは発信し続けます。届かないメッセジであることを知りながらも。それでもいつの日か #EpilepsyDay に画期的なウネリが生まれるような気がします。どなたも発信、発信。とにかく、#epilepsydayを開いて覗いて、ご自分の名を打ち込んでみて下さいね。

2月1日午後、ホテルメトロポリタンでお会いしましょう。

 

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