てんかんはどのような病気?

てんかんはどのような病気?

てんかんはどのような病気?

てんかんは、あかちゃんからお年寄りまで誰にでも起こりえるありふれた病気で、てんかんを持つ人は100人〜200人に1人位います。もともと脳の神経細胞には、電気刺激や低酸素、低血糖などにより異常な電気的発射を起こす性質がありますが、てんかんはこのような神経細胞の異常な電気発射(てんかん発作)が自発的に繰り返し起こる病気です。(更に詳しく1)

脳のどの部分でその異常な電気発射(てんかん発作)がおこっているかにより発作の症状は様々で、全身のけいれんだけでなく、意識がぼーっとなって動作が止まったり、手や口をもそもそ動かしたり(自動症)、体の一部をピクンとさせたり(ミオクローヌス)、記憶が一瞬飛んだり、懐かしい風景が見えたり(既視感)などします。(更に詳しく2)

また脳卒中の後遺症や脳腫瘍などのように原因がはっきりしている場合(症候性てんかん)と原因がはっきりしない場合(特発性てんかん)があり、どのようなてんかんなのかにより薬の選択も異なり、また自然に治ってしまうものや手術で治るてんかんもあるなど、長期的な見通しと治療効果は様々です。(更に詳しく3)

てんかんの診断

てんかんなのかどうか、またてんかんならどういうてんかんなのかを診断するには、1)発作の症状を正確に把握すること、2)てんかん性の脳波異常がないかを調べる、3)高精度のMRI検査で脳に異常がないかを調べる、の3点が不可欠です。(更に詳しく4)

意識がなくなって倒れる原因は、てんかん以外にも、失神発作、不整脈、低血糖、一過性全健忘など様々あります。またどのような種類のてんかんかで、効果のある薬も異なり、またそのうち自然に治るのか、いつまでも薬を飲まなくてはならないのか、あるいは手術で治るのかなど、先々の見通しも異なります。

一旦てんかんと診断されると長い間規則的に薬(抗てんかん薬)を飲まなくてはなりませんので、最初にてんかんなのかどうかをしっかり診断し、長期の見通しに基づく治療計画をたてる事が大変重要です。

てんかんの治療

てんかんは適切な薬(抗てんかん薬)を飲めば、3人のうち2人は発作が止まるといわれています。またこどものてんかんの中には、思春期までに自然に治ってしまい薬もいらなくなるタイプのてんかんもあります。一方、発作が止まらず複数の抗てんかん薬を大量に飲んで薬の副作用に苦しみ、また発作のある事で様々な社会的困難にあっている方もいます。その中には、発作型とあわない薬によってかえって発作が悪くなっている場合もあり、また早く手術を受ければてんかんそのものが治ったのにという方もいます。(更に詳しく5)

従って、てんかん発作が止まらない方にはてんかんの専門治療が必要です。また発作が止まっている方についても、副作用の問題、妊娠の問題、服薬中止の問題、あるいは運転免許の問題や生活支援の問題など、様々なてんかんの専門診療が必要な方がいます。(更に詳しく6)

こどものてんかん

こどものてんかんの治療では、発作を止める事はもちろんですが、発達を注意深く見守る事が大切です。こどもの脳の発達には、頻回のてんかん発作と大量の抗てんかん薬は良くないことがわかっています。治療を開始する時には、どのようなてんかんか(てんかん症候群)を診断し、発作と発達が先々どのようになるか見通しをたてる必要があります。またその際、手術可能なてんかんではないのか、MRIで腫瘍や皮質異形成あるいは海馬硬化などの異常はないか確認し、発作が止まらない時には時期を逸せず手術を受けられるように準備しておく事も必要です。

成人のてんかん

てんかんを持ちながら社会で活躍している方は沢山いらっしゃいます。その場合数年に一度の発作でも、仕事や自動車運転に大きな障害となります。とはいえ薬が多すぎれば眠気などの副作用があり、一方少なすぎれば発作が起こる危険が増すということで、薬の種類と量の調整は意外に簡単ではありません。また主治医との良好な信頼関係が無いと、毎日欠かさず規則的に薬を飲む生活習慣もつきにくいでしょう。信頼でき良く相談を聞いてくれる主治医をもつことが大切です。女性の場合は妊娠出産に関するケアも必要です。

高齢者のてんかん

一般には知られていませんが、高齢者はてんかんになりやすいのです。それは脳梗塞や加齢あるいは認知症の発生などにより脳の神経細胞の機能が低下し、神経細胞の異常な電気発射が起こりやすくなるからです。服用している様々な薬で誘発される事もあります。一方、少量の抗てんかん薬で発作が良くなることが多いのも特長です。ぼーっと反応がなくなるてんかん発作が連発している場合(非けいれん性てんかん重積)、認知症と間違われることもあります。

発達障害のある方(児)のてんかん

自閉症や知的障害など発達障害のある方(児)は、てんかん発作や脳波のてんかん波が頻発することで、発達の退行やADHDの悪化が見られる事があります。また抗てんかん薬によっては、異常な行動や精神症状を引き起こしたり、発作を悪化させたりする事もあります。そのような場合には、抗てんかん薬を適切に調整する必要があります。また不安、うつ、幻覚、不眠などの精神症状があっても、それをうまく表現できない方(児)は少なくありません。少量の向精神薬や抗うつ薬、睡眠薬、精神刺激薬等を使って、異常な行動や精神症状を改善することも必要です。

てんかんのリハビリテーション

発達障害のあるお子さんは、薬で発作を抑えるだけでなく、発達の改善を目指す継続的なリハビリテーションを必要としています。思春期以降の方では、就労を目指したリハビリテーションプログラムが欠かせません。また障害ゆえに一般就労が難しい方の場合、作業所の利用など、障害に応じて段階を踏んだ社会参加が必要です。ベーテルでは、創立以来子供から大人までを対象とした、てんかんのリハビリテーションに力を注いできました。


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