・ 仙台てんかん医学市民講座 開催報告
御礼
2024年6月8日、仙台てんかん医学市民講座Ⅳを開催致しました。この講座は、1992年てんかん専門病院ベーテルが開設されて以来、最新のてんかん医学、医療を皆さまにご披露するため、毎年春と秋に開催されているものです。
何より一番にお聞きいただきたいプログラムである、てんかん市民Speak-Out2題で開始となりました。私たちが何よりも先に知るべきは、てんかんを患う方々の闘病体験です。この発表を聞かずして、この講座は始まりません。お一人目の発表は、「33年のてんかん人生、外科手術を決めた」、お二人目の発表は「もう薬を忘れない」です。本日、勇気を出して、自らのてんかん物語をお話しくださったお二人に大きな拍手がおくられました。
加えて、「てんかんにも向けられた優生保護法・強制不妊」と題し、毎日新聞仙台支局 遠藤大志先生が宮城県の実情をお話し下さいました。記者さんならではの取材力で発信された情報は、他人ごとではすまされない悲しい出来事でした。あなたの知らない世界にしっかりと耳を傾けて学びをふかめる時間となりました。
また、第55回目を迎える、てんかん医学市民講座のテーマは、「新しいてんかんの世界」です。記念講演は、基礎脳科学講義「超脳回路からてんかんを知る」と題し、東北大学大学院生命科学研究所 超回路脳機能分野教授 松井広先生にご講演頂きました。グリア細胞がてんかんの世界を変えるかもしれない、そんな、あなたの知らない脳の世界を教えてくださいました。てんかんという領域の奥深さを知る、これまでにない内容で、新しいてんかんの世界を覗かせていただいた、素晴らしい講演となりました。
てんかんは、長期戦の病気であり、人生を共にしながらさまざまな問題にも遭遇するものです。しかし、ほしいと思う情報がすぐさま手に入るものでもありません。回を重ね、学びを深めていく必要があります。
みんなで勉強しようと企画された、基礎から学べるてんかんケア実践講座に於いては、てんかんの確定診断に欠かせないMRIについて、GEヘルスケアジャパンの吉野要さまの応援をいただき、24時間365日てんかん専門病院ベーテルで研鑽を積んでいるスタッフ5名が、それぞれの領域から報告しました。連続講義も同じくベーテルに勤務する医師4名と看護師1名(時間の都合上後日YouTube配信となりました)がさまざまな話題提供を致しました。この中では、Dr天馬の「診断ABC」、Dr海馬の「薬物治療」の新しい講義がはじまりました。
当日、会場一杯にお集まりいただきました皆さま方に、深く感謝いたします。私共は、今後とも皆さま方のご支援を賜りながら、てんかん医療と社会啓蒙活動に努めてまいります。より一層のご支援をいただきますようお願いいたします。
この講座は、YouTubelive配信中となっております。より多くの皆さま方にアクセスしていただきますようお願いいたします。
カーレ仙台 代表 海野美千代